悪!裂!ウイングマン 『週刊少年ジャンプ』で連載された漫画『ウイングマン』の実写ドラマ化されることが発表されました。
『ウイングマン』は『電影少女』や『I”s』で知られる漫画家・桂正和氏のデビュー作であり代表作の一つ。
週刊少年ジャンプの1983年5・6合併号から1985年39号まで連載されました。
今回のドラマ化は『ウイングマン』生誕40周年記念ともうたわれており、テレビ東京で2024年10月22日(火)深夜24:30~放送をスタートします。
『ウイングマン』の魅力は?
特撮オタクで高校2年生の広野健太は授業中も空想の世界にばかり浸っている。周囲から冷ややかに見られ冴えない日常を送っていた健太の元に、アオイと名乗る不思議な美少女が現れる。彼女は悪の手を逃れて異次元からやって来たという。健太はアオイが持っていたドリムノートに、自分が空想したヒーロー“ウイングマン”を描いたことで、本当にウイングマンへの変身能力を手に入れてしまう。念願のヒーローに変身する力を手にした健太だが、異世界からはアオイを追って次々と刺客が送り込まれてきて_?
引用元:ドラマチューズ!『ウイングマン』公式サイト
いわゆる変身ヒーロー物です。戦隊ヒーロー、仮面ライダー、ウルトラマンと多くの特撮ヒーロー作品がありますが、『ウイングマン』が連載した当時は『宇宙刑事ギャバン』から始まる❝宇宙刑事シリーズ❞が人気を博していました。
王道の変身ヒーロー物に通じる面白さがある作品ですが、ヒットした魅力は他にもあります。
その魅力を挙げてみました。
- 巻き込まれ系主人公
- 能力への縛り
- 三角関係、ラブコメ要素
- 可愛らしいキャラクター
巻き込まれ系主人公
偶然戦いに巻き込まれた主人公が、悩み、傷つき、成長していきながら、正義の戦いに身を投じていく。
このパターンはファーストガンダム辺りから広がっていったのかな?特撮だと平成ライダーから多く見られてきましたね。
当時はまだ珍しい設定でしたが、のち王道設定の一つになっています。
中学生の主人公広野健太が、戦いに巻き込まれて成長していく姿は、読者が身近に感じ感情移入しやすかったのではないかと思います。
能力への縛り
書き記されたことを現実にすることのできる「ドリムノート」で生まれたウイングマンですが、無限の力を持っているわけではありません。
まず、ウイングマンは三次元世界では10分間の変身タイムリミットがあります(ポドリムスでは制限がない)
そして、何の戦闘訓練もしたことのない健太は最初の内ウイングマンの能力を使いこなせずに悪戦苦闘します。
また必殺技使うと健太の体に負担がかかってしまいます。
例えばコンティ二パンチは肩に負担がかかる。
ファイナルビームは威力が高すぎるため、場所を選ばないと建物などに被害が出る恐れがあるうえ、健太への負担も大きく、疲れているときには気絶したりして行動が不能になってしまう。
新必殺技デルタエンドは変身時間のタイムリミットが残り3分にならないと使えない。
これらも今では割とよく見られる王道設定の一つですが、当時は珍しく時代を先取りした面白さがありました。
三角関係、ラブコメ
当時のジャンプはキン肉マン、北斗の拳、コブラ、ブラックエンジェルズ、銀牙‐流れ星 銀‐、そして84年にドラゴンボールが始まり、バトル漫画でジャンプが黄金時代を迎える黎明期といった感じでした。(ちなみに、大ヒットラブコメまんがきまぐれオレンジロードも84年に連載開始)
その中で、ラブコメ要素を取り入れることで他のバトル漫画と差別化をはかることに成功しています。
主人公広野健太と二人のヒロインアオイと小川美紅との三角関係。
結ばれるわけにはいかない異世界の少年健太に惹かれていくアオイ。両片思いの様な関係のまま距離を縮めていく健太と美紅。
アオイとポドリムス人の恋人ナァスとの悲恋。
敵の策略により健太にポドリムス人として素顔を見られそうになるアオイの焦燥。
そして最終回の健太とアオイの切なくなるラストシーンなど、のちに『電影少女』『I”s』といったラブコメをヒットさせた作者の真骨頂が見て取れます。
可愛らしいキャラクター
桂正和氏はキャラクターデザインでも高く評価されており、アニメ作品『TIGER & BUNNY』『牙狼 -紅蓮ノ月-』などでキャラクターデザインを手掛けています。
ウイングマンでもヒロインのアオイ、小川美紅の他にも森本 桃子、布沢 久美子といった美少女キャラが登場し、当時のジャンプ作品の中では独自の世界観を描いていました。
キャスト
主人公広野健太役には藤岡真威人さん俳優藤岡弘さんの長男で、今回がテレビドラマ初主演。
藤岡真威人さんは親子2代に渡って特撮主人公を演じることについて答えています。
「運命を感じる。俳優人生のスタートといえる代表作にしたい」
アオイを演じるのは加藤小夏さん。
桂正和作品はドラマ版「I”s」以来2度目の出演。
ショートヘアーでキリっとした表情がアオイのイメージとぴったりな感じです。
同番組のプロデューサーの前田知樹氏も加藤小夏さんについて絶賛しています。
ヒロインとしての眩しい存在感と、本格派の演技力、制作陣が思い描いたそんなアオイ像にピタリと一致したのが、加藤さんでした。加藤さんの演じる、キュートで少し大人っぽいアオイ無くしてこの作品はあり得ません。
もう一人のヒロイン小川美紅やライバル:キータクラーなど気になるキャラクターのキャストの発表はこれからですが、楽しみになってきました。
DMMで先行配信
ドラマ版『ウイングマン』は2024年10月22日から放送開始ですが、DMMTVで10月16日に第一話が先行配信されます。
ドラマ版のストーリーはまだはっきりしていませんが、主人公の設定が原作では中学生だったのが、ドラマ版では高校生に変更されています。
40年前の作品なので、現代風にアレンジされて面白い作品いなっていることを期待したいですね。
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