NBAメンフィス・グリズリーズに所属する渡辺雄太(29)が20日自身のSNSでライブ配信を行い、来季のBリーグ入りを発表した。21日に都内のホテルで会見を開く予定。
グリズリーズとの2年契約の残り1年を残したところで、Bリーグ入り表明した理由について、「なんで日本でやるかというと、バスケットがシンプルに好きなので」「バスケットがとにかくしたい。試合に出てプレーしたい」「20代の間はどんなにしんどいことがあっても米国にこだわり続けて、どんな状態になっても絶対に米国でやりつづけることが自分の中で立てた目標だった。今年30歳になるが、色んなしんどいことの方が多かった中で、20代の間は諦めないで逃げないことは自分の中ではクリアできたかな」と語った。
今期の渡辺はサンズと2年契約を結んでいたが、今年二月に古巣のグリズリーズへトレードとなった。3月1日に右手首の負傷で欠場してから、「個人的な理由」で欠場をしたままシーズンを終えていた。
記者会見では欠場した理由を「メンタル的なことでお休みをもらってました」と明かし、ここ数カ月の自身のメンタルの不調をつぶさに語っていたが、現在は回復に向かっておりパリ五輪を目標にトレーニングも開始しているという。
日本バスケレベルアップの起爆剤として期待
渡辺は米ジョージ・ワシントン大を経て18年にグリズリーズとツーウェイ契約を結び、NBA下部のGリーグなどを経験しながら、ドラフト外から着実にキャリアを上げて、NBA選手として認めらえるようになった。22年に所属したブルックリン・ネッツでは、チームメイトでNBAのスター選手の一人ケビン・デュラントからも高い信頼を得ており、間違いなくNBAで通用した日本人である。
昨年の沖縄ワールドカップで大きな盛り上がりとレベルアップを証明して見せた日本のバスケットボールであるが、さらに上を目指すには国内リーグのレベルアップが必要不可欠である。プロサッカーの世界では、欧州のトップリーグで活躍する選手が多く輩出されるようになったが、キャリアのピークを迎える前にJリーグに復帰する例はあまり多いとは言えない。
昨年からGリーグなど海外リーグを経験してきた馬場雄大がBリーグに復帰しており、このタイミングで年齢的にまだキャリアを積み重ねることができる渡辺雄太の加入は、間違いなく日本バスケのレベルアップのための起爆剤になるであろう。
Bリーグのチームとの交渉はこれからだが、争奪戦が繰り広げられると予想されており、7月のパリ五輪、その後の渡辺雄太のBリーグ参戦と今年の日本バスケからは目が離せなくなりそうだ。
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