英国のリシ・スナク首相(44)は22日、議会下院(定数650)を近く解散し、7月4日に総選挙を行うと表明した。下院の任期満了は今年12月。英国での総選挙は2019年12月以来となり、与党・保守党の支持率は低迷しているため、14年ぶりの政権交代につながる可能性がある。
2022年10月に前のトラス首相の辞任により発足したスナク政権であるが、トラス政権の減税策などの政策の混乱により保守党の支持率が低迷した状態でのスタートであった。
発足後も経済の低迷や移民の増改が続いたため国民の不満が高まっていき、野党・労働党の支持率が40%台で推移したのに対し、保守党は20%台が続いていた。
そして5月2日に行われた、イギリス地方選で労働党に大敗し、支持率は政権発足以来最低の18%まで落ち込んだ。
地方選の保守党大敗で解散総選挙の機運高まる
5月2日に行われたイギリス地方選は、イングランドの107自治体の議会選と11の市長選が行われ、総選挙の前哨戦として注目がされていた。
この地方選で与党・保守党は474議席減の515議席と大きく後退、野党・労働党が186議席増の1,158議席とした。自由民主党は104議席増となり保守党を上回る結果を残した。
同日に行われたロンドン市長選では、現職のサディク・カーン市長(労働党)が勝利、北西部の主要地域グレーター・マンチェスター市長選でも現職のアンディ・バーナム市長(労働党)が勝利している。
この結果をふまえ、国内では早期に解散総選挙をすべきだという声が高まっている状況であった。
世界的な選挙イヤーで各国に動きあり、日本はどうなる?
イギリス国内の世論調査で与党・保守党の支持率は18%と、最大野党・労働党の44%に大きく水をあけられており、2010にゴードン・ブラウン首相が退陣して以来14年ぶりに労働党が政権を握る可能性がでてきた。
労働党のスターマー党首は「選挙準備はできている」と政権奪還に自信を見せている。
今年は「世界的な選挙イヤー」と言われおり、各国で注目の選挙が終了、予定されている。
3月にロシア大統領戦ではプーチン大統領が勝利し、11月にはアメリカ大統領選が行われる。
3月に開催されたトルコ統一地方選では、エルドアン大統領率いる「親イスラム保守派の公正発展党」(AKP)が各地で敗北。
4月の韓国総選挙では、最大野党「共に民主党」が尹大統領の与党「国民の力」に勝利している。
岸田内閣の支持率は奇しくもスナク政権と同じ20%台。先日の衆議院3補欠選挙では自民党の全敗となっている。
岸田首相は衆議院解散を否定したが、解散総選挙の声はくすぶっている。このまま「世界的選挙イヤー」に参加するのか注目して行きたい。
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