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井上尚弥の日本開催にアメリカ人記者が批判 本人はXで反論 アメリカ開催は必要か?

スポーツ

5月6日に東京ドームでルイス・ネリと対戦する予定の、ボクシング世界スーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥だが、日本開催を続けることに対して、米のファンやマスコミから不満が続出している。

 米専門メディア「ボクシング・シーン」は「井上の偉大さを証明するには米国での露出が必要か?」と見出しを付けた上で、「こんなことを示唆するのは醜い米国人っぽいかもしれないが、もし彼が本当に大金を手に入れたいのであれば、そのリングは米国がふさわしい」と指摘した。

 元世界ウェルター級王者2団体王者の(米国)ショーン・ポーター氏は、「ボクシングでは海を渡り、アメリカに来て、アメリカ人を倒して、ファンに注目してもらわなければならない」と主張し、この意見に賛同する声も上がっている。

これに対して井上尚弥は自身のXで

「アメリカに来て試合をしろと言うコメントに????? 今や軽量級の本場はここ日本にある。試合が見たいのなら日本に来ればいい。日本のマーケット以上の物がアメリカにあるのなら喜んで行く。それだけの価値がここ日本にはある」と主張した。

アメリカ人の対戦候補は誰?

 アメリカに来て、アメリカ人と戦えと言う声があるので、現在のスーパーバンタムのアメリカ人世界ランカーを検証してみる。

アメリカ人のスーパーバンタム級で最強と言える、スティーブ・フルトンに井上が勝った現在、残るアメリカ人世界ランカーは3人である。

そのうちの一人、対井上の最有力と言われていたのが元WBAの暫定王者のライース・アリームである。ファンのなかでは井上との闘いを希望する声も上がっていたが、昨年サム・グッドマンに敗北して対井上戦線から脱落した。

残る2人はイライジャ・ピアースラモン・カルデナス。ピアースは3月にアーサー・ビラヌエバ(フィリピン)と対戦し4回KO勝利しているが、2回にダウンを奪われる課題の残る内容であった。体も大きくパワーもあり、本人も井上戦を口にしているが、今の段階ではミスマッチは否めない。まだ伸びしろはありそうなので、将来の対戦相手としては期待したい。

 ラモン・カルデナスは多団体でランクインしており、24戦13KO1敗の戦績とキャリアも十分な選手である。直近2試合でも世界ランカー相手にKO勝利している。井上と比べるとスピードで見劣りするが、体はしっかりしており、上下のコンビネーションも良い。現在アメリカ人ランカーの中で、対井上に一番近い位置にいるのではないかと思う。

 井上は5月のネリとの対戦後に9月にムロジョン・アフマダリエフ、12月にはサム・グッドマンと戦うことを構想していると伝えられており、その間にカルデナスが自分の地位をどれだけ上げれるかに掛かっているであろう。

 いずれにしろ、今年中に井上尚弥と対戦できそうなアメリカ人はいないようだ。

日本のボクシングマーケットの今後

 井上に対しての渡米論は、アメリカこそ世界のボクシングの最高峰の場所だという、アメリカ人のプライドからくる発言であろう。たしかに、パッキャオやロマチェンコなどアメリカに渡って成功を収めたボクサーは枚挙にいとまがない。しかし、近年動画配信サービスによる中継が普及し、日本国内の開催でも巨額のファイトマネーを得ることができるようになった。

  • 対スティーブ・フルトン 5億円
  • 対マーロン・タパレス 10億円
  • 対ルイス・ネリ 12~13億円

次のネリ戦を含めた、井上尚弥の直近3試合の推定ファイトマネー

元々アメリカのボクシング界は中量級から重量級がメインで、軽量級が大きく扱われることは少ない。もちろん今の井上尚弥の名声とトップランク社の力があれば、メインイベントで開催し巨額のファイトマネーを得ることは可能であろう。しかし、井上が対戦したいと思うアメリカ人が不在で、日本のマーケットが上昇している現状では、アメリカで戦うメリットは以前ほどは無くなってきている。

 近年日本でもボクシングを幼少期から野球やサッカーの様にスポーツとして取り組む子供達が増えてきている。確実にキッズや中高生のボクシングレベルは上がってきている。このままいけば、今後も井上尚弥や中谷潤人の様な世界のトップコンデンターが現れることが期待できる。

 また、亀田興毅や伊藤雅雪のように世界王者からプロモーターに転身し、動画配信によりファイトマネーを確保し、日本のボクシングを盛り上げようとする動きも見られている。

 このまま日本ボクシングの裾野の広がり、盛り上がっていくことで、将来的には軽量級の世界のトップ選手達が、日本に来て成功を収めたいと思うような大きなマーケットが出来上がるのも夢ではないかもしれない。

 

 

 

 

 

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