ボクシング世界スーパーバンタム級4団体統王者井上尚弥とWBC同級1位の元世界2階級王者ルイス・ネリとのWBA・WBC・IBF・WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦が、5月6日に東京ドームで開催されることが決定し世界のボクシングファンを賑わせている。
井上尚弥も興味ある対戦相手の一人としてネリを挙げてきており、過去再三にわたって井上尚弥を挑発する発言を繰り返してきたネリにとっては、待望の対戦がついに決まった。
そこで、悪童と呼ばれながらもボクサーしての実力は高いルイス・ネリについてまとめ、世界戦の予想をしてみようと思う。
ルイス・ネリ プロフィール (2024年3月11日現在)
氏名 | ルイス・エステバン・ネリー・エルナンデス |
生年月日 | 1994年12月12日 |
出身 | ティファナ(メキシコ) |
身長 | 165 |
体重 | 169 |
ボクシングスタイル | サウスポー |
プロデビュー | 2012年5月5日 |
アマチュア戦績 | 9戦9勝(5KO)0敗 |
プロ戦績 | 36戦35勝(27KO)1敗 |
世界戦戦績 | 3戦2勝(1KO)1分 |
獲得タイトル | WBCアメリカ大陸バンタム王座 WBC世界バンタム級シルバー王座 WBC世界バンタム級王座(防衛0=剥奪) WBC世界スーパーバンタム王座(防衛0) WBC世界スーパーバンタム級シルバー王座 WBOインターコンチネンタルスーパーバンタム級王座 |
なぜ悪童?
ネリと言えば日本のボクシングシーンでは、悪童と呼ばれて有名である。
2017年8月の山中伸介とのWBC世界バンタム級王座戦後に、事前のドーピング検体から禁止薬物のジルパテロールを検出。2018年3月の山中伸介とのWBCバンタム級王座防衛戦では体重超過による王座はく奪と2度に渡る問題行動を起こしている。
これによりWBCからは結果6か月の資格停止処分。JBCからは実質永久追放となる、日本での無期限の活動停止処分となっている。
さらに2019年11月のエマヌエル・ロドリゲスとのWBC世界バンタム級挑戦者決定戦でも体重超過による試合中止となっている。
強さ
いろいろと問題の多いネリであるが、そのボクサーとしての強さは高い評価を受けている。
サウスポーのファイタータイプのネリは左右のフックの連打が素晴らしく、一度当たると止まらない。左右の連打の間にパンチを上下に散らしてきたりと、コンビネーションも多彩。特に左フックは強烈でKOを築いてきた。
ディフェンスのレベルも高く、ガードは低めだが、その分ショルダーブロック、バックステップ、ダッキングなど多彩に織り交ぜて相手の攻撃を防いでくる。
井上戦に向けて
下馬評では井上尚弥の圧倒的有利だが、パンチ力は無いが高いディフェンス力とアウトボクシングで相手をコントロールして勝利を築いてきたテクニシャンスティーブ・フルトンが敗れた今、井上を倒す可能性があるのは、一発のパンチ力持って乱打戦ができるネリの様なボクサーかもしれない。
今回の対戦に対してJBCとWBCは再発の防止を図るため、事前計量の厳格運用に加え、VADA(ボランティア反ドーピング機構)による抜き打ち検査も含めた徹底したドラッグテストの実施を約束している。
元世界4階級制覇王者で同じメキシコ人の名チャンピオン、ファン・マヌエル・マルケス氏は「その日はメキシコ人ファイターにとって、素晴らしい試合をしなければいけないという責任を負う日になる」「私はネリが人生を懸けて戦うべきだと考えている。もう準備段階での彼に失敗は許されないし、かつてないほどの調整をしないといけない」など厳しいコメントを残している。
待望の井上戦が決まったネリには、ファンの期待を裏切らない戦いを切望する。
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