『生活魔法使いの下剋上』とは、小説投稿サイト「カクヨム」に2021年1月23日から2024年1月11日にかけて投稿されていた、月汰元さん作の架空の現代日本を舞台にしたファンタジー小説。
カクヨムで総PV数は1億1000万越え(2024年6月2日現在)の人気作。
全1076話からなり、現在まで書籍版は第3巻、コミカライズ版が2巻まで発売されている。
生活魔法使いの下剋上とはどんなストーリー?
ある日突然世界中に魔法とダンジョンが現れて、世の中が一変した架空の現代世界が舞台の物語。
集積回路を使った高度な電子機器が機能しなくなり、科学文明が後退した世界で、新たに資源として見出されたのが、ダンジョンで手に入れることができる魔石やアイテムであった。
魔法の力を屈指して、ダンジョンを探索、魔石やアイテムを持ち帰る者冒険者と呼ばれる者たちが世界中に現れた。
冒険者養成機関「シービック魔法学園」で臨時講師を務める主人公:榊緑夢(サカキグリム)はダンジョン探索にも魔物討伐にも使えない生活魔法の才能を持って生まれてしまった。
周囲から“役立たず”と蔑まれながらも、生活魔法を屈指しダンジョンに挑むグリム。そして、魔法を生み出すことができる特別な力、賢者の力を手に入れたときグリムと世界の運命が動き出す・・・。
生活魔法とは
本作の世界には6種類の魔法があります。
- 生活魔法
- 付与魔法
- 魔装魔法
- 生命魔法
- 分析魔法
そしてそれぞれの魔法には最高ランクのSから最低ランクのFともって生まれた魔法才能があり、ダンジョンで冒険者として活躍するには、最低Dランクが必要と言われている。
生活魔法とは『ライト』~明かりをつける、『プッシュ』~物を押す、『ホール』~穴掘り、『ロール』~回転させる、などおおよそダンジョンでモンスターと戦うには不向きなものばかりであった。
グリムは生活魔法は最高ランクの『S』だが、他は『E・F』と最低ランクで冒険者としては活躍できないと周囲に思われていた。
見どころは
カクヨムに投稿されている作品の中では、約3年の投稿期間、1076話とかなりの長編である。
世界中に存在するダンジョンはそれぞれ難易度が設定されている。階層ごとに、草原、森林、砂漠、雪山、海、遺跡など特徴があり、謎解きやトラップなど細かい設定も存在している。
出てくるモンスターやドロップアイテムは神話やファンタジーなどを題材にしているが、種類が豊富でそれぞれの特徴も練られており飽きさせない。
物語が進むにつれて、世界にダンジョンを作った神の存在とその目的も明らかになってくる。
「カクヨム」投稿作品の中には、何の前触れもなく投稿が中断されてしまう作品も珍しくないが、これだけの長編で、設定もしっかりしていることを考えると、最終話までしっかりとプロットが練られて執筆されているこがうかがえる。
書籍版、コミカライズ版について
書籍版は角川書店のファミ通文庫から現在第3巻まで発売されています。
WEB版からの改稿に加え、書籍限定の書き下ろし短編を収録されています。
コミカライズ
イラストはhimesuz氏が担当
コミカライズ版は電撃コミックnextから現在第2巻まで発売されています。
作画担当は保志レンジ氏。
保志レンジさんはgood!アフタヌーンで『錬金術無人島サヴァイブ』を連載していました。
丸っこくてかわいらしキャラクターを描きますが、画力はとても高いです。
ダンジョン内に広がる自然、遺跡など細かいところまで細密に描かれています。
モンスターや魔法での戦闘シーンも上手いです。物語はまだ序盤なので、この先続々と登場する新たなモンスターやパワーアップしていく魔法など楽しみです。
コミカライズ1、2巻では、グリムとその初めの4人の弟子、アリサ、天音、由香里、千佳との出会いが描かれています。
活字だけでは伝わらなかった4人のキャラや表情が良く描かれていて、世界観を広げてくれます。
特に、のちにグリムの妻となるアリサとの件は、原作では割とあっさりしていたのですが、漫画では徐々にグリムに惹かれていくアリサの様子がよくわかります。
まとめ
『生活魔法使いの下剋上』は小説投稿サイト「カクヨム」に掲載された、ダンジョンを舞台にした長編人気小説。
コミカライズ版は2巻まで発売中。
細密作画で描かれたダンジョンでの冒険の世界に引き込まれる。
興味ある方は原作とともに一読することをおススメします。
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