国内で複数の人から採取された血液に「ナノプラスチック」と呼ばれる直径千分の1ミリ以下の極めて小さなプラスチック粒子が含まれていることが、東京農工大の高田秀重教授らのグループの分析で、24日までに明らかになった。
このうち1人を詳しく調べると血液や腎臓、肝臓などから、プラスチックに添加する紫外線吸収剤やポリ塩化ビフェニール(PCB)という有害化学物質も見つかった。
人の血液中のナノプラスチックはオランダで検出例があるが、国内では初めて。含まれる有害化学物質を同時に検出した報告は世界でこれまでなく、人体への蓄積の実態が示された。
丈夫で軽く加工しやすいプラチックは、食品容器やレジ袋、化学繊維でできた衣料品など世界中で広く使われています。生産量の増加に伴い、プラごみの排出量も急増し大きな環境問題として世界中で警鐘を鳴らされています。
近年マイクロプラスチックと呼ばれている5㎜以下の微細なプラスチック粒子よりも、さらに微小な直径千分の1ミリ以下のナノプラスチックの人体への影響が懸念されてきている。
人体への侵入経路
ではナノプラスチックはどのようにして体内に侵入するのか?
①魚介類の摂取
魚のわたや貝類の体内からマイクロプラスチックが発見されている。特に身を丸ごと食べる貝類はマイクロプラスチック摂取のリスクが高いと言われている。
②大気汚染
プラスチックが破砕や摩耗などを繰り返し、大気中に浮遊するほど軽量になり、呼吸により肺から体内に取り込まれる。海洋マクロプラスチックは台風の低気圧により海水と共に巻き上げられ、大気中に拡散すると言われている。
人体への影響は?
高田教授は「プラスチックの微粒子が有害化学物質を体内に運び込んでいる」と指摘。検出量はわずかで直ちに影響が出るレベルではないとしつつ「これらの化学物質は環境ホルモンだ。摂取量が増えたり長期間蓄積したりすれば、生殖作用などに影響を与えることが懸念される」とした。
ナノプラスチックへの人体の影響については、喘息などのアレルギー症状、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、癌、消化管の炎症反応などが言われており、血液脳関門を通過することにより脳細胞への影響も研究されています。
私たちにできる対策
私たちの生活のたかで可能なプラスチックゴミ対策を挙げてみた。
- プラスチック製品の使用を減らす。購入を控える。
- 正しい廃棄処理、リユース、リサイクル。ポイ捨てをしない。
- 海岸や町の清掃活動に参加する。
これらの地道な活動を、今と未来のために始めていこう。
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