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『河内源一郎商店』カンブリア宮殿で特集 麹の神様、近代焼酎の父:河内源一郎とは? 紅麹への不安が広がる中、麹について知る機会になる

芸能・エンタメ

5月2日午後11時6分より放送される、TVHの『カンブリア宮殿』では「河内源一郎商店」の会長:山元正博さんが出演する。

 「河内源一郎商店」は鹿児島県に居を構える種菌メーカー。❝麹の神様❞❝近代焼酎の父❞と呼ばれる同社の初代:河内源一郎氏が昭和6年に創業した。

 焼酎造りに必要不可欠の麹菌であるが、同社の麹菌は全国の焼酎を造る酒蔵のシェア80%を占める。さらに海を渡り隣の国、韓国でのマッコリ造りにも欠かせないという。

河内源一郎とはどんな人?

 河内源一郎(1883年4月30日‐1948年3月31日)は、広島県深安郡富久山町吉津町に代々続く味噌・醤油の醸造蔵「山田屋」を営む両親の元に長男として生まれる。家業の影響から幼いころから麹などの微生物に興味を持っていた。

 大阪高等工業学校醸造科(現・大阪大学発酵工学科)への進学を経て、大蔵省入りし、熊本税務監督局(鹿児島工業試験場技官)として鹿児島に赴任。鹿児島、宮崎、沖縄の味噌・醤油・焼酎の製造指導を担うこととなった。

 そこで鹿児島焼酎と出会うが、当時の焼酎は不味く、品質も不安定で暑さに弱くすぐに腐っていた。業者からも「なんとかしてほしい」と頼まれた河内は本格的な研究を始める。

 焼酎が暑さで腐ってしまうのは、寒冷地に向いた日本酒用の「黄麹菌」と使っていることに気づいた河内は、鹿児島よりも暑い沖縄で作られている泡盛が腐らないことに着目する。沖縄から泡盛造りに使われている「黒麹菌」を持ち帰りさらなる研究を続ける。

 そして3年の試行錯誤の末、安定した焼酎造りに適した「泡盛黒麹菌」の培養に成功した。「泡盛黒麹菌」は瞬く間に九州の焼酎製造者に広がっていった。

 1924年顕微鏡で黒麹菌を除いていた河内は、泡盛黒麹菌の突然変異による新種を発見。より品質が安定し味や香りがまろやかになるこの新種は「河内菌白麹と名付けられた。

 その後、46歳の時に大蔵省を退官、鹿児島市清水町に「河内源一郎商店」を創業し、各種焼酎用種麹の研究を続けた。河内菌の評判は全国に広がり、焼酎の近代化が始まった。

 1939年~1940年には、朝鮮半島や満州にも販路を広げ、販売だけではなく焼酎造りの指導を行った。その結果、韓国の焼酎マッコリには現在も河内菌が使われている。


まとめ

 小林製薬の紅麹サプリによる健康被害が続いている中、消費者が麹菌を使用した食品へも不安を持つようになり、製造メーカーが問い合わせへの対応に追われている。

 本来紅麹と麹は別物であり、安全性にも大きなな違いがあるが一般的にはあまり知られていない。番組内容は「河内源一郎商店」のビジネス戦略の成功例が中心になるであろうが、麹メーカーを題材に扱うのは、紅麹サプリの問題で麹も世間から注目を集めているからだろう。

 同社に「河内菌」が全国の約8割の焼酎メーカーで使用されているとうことだけでも興味深いが、麹の正しい知識や健康効果、麹メーカーを知るためにも楽しみな番組である。

 

 

 

 

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