プロボクシングは6日井上尚弥VSルイス・ネリ戦とメインイベントとした、4大世界タイトルマッチを東京ドームで開催。セミファイナルでは元K-1スーパーバンタム級王者のプロボクシングWBO世界バンタム級5位の武居由樹（27＝大橋）が同級王者ジェイソン・モロニー（33＝オーストラリア）に判定勝ちで勝利をおさめ、K-1に続きボクシングでも世界の頂点にたった。
武居はボクシングデビュー後、8戦8勝(8ＫO)のパーフェクトレコードでの世界初挑戦となった。試合序盤はサウスポーの構えで距離を取りつつジャブとボディーストレートを軸に攻撃。2Ｒにはローブローで減点1を取られるアクシデントもあったが、巧みな距離感で相手のジャブを起点にしたボクシングを封じ込めた。4Ｒから距離を詰めてきた相手に対して、相手の鼻から出血させるほど圧倒し、6R終了間際に右フックでグラつかせた。王者も12Ｒ終了間近に猛ラッシュを仕掛けて意地を見せたが、3-0の判定で勝利をもぎ取った。
バンタム級主要4団体のベルトを日本人が独占
これで井上尚弥が手放したバンタム級4本のベルトは日本人が独占。武居の一つ前の試合では、WBA王者の井上拓真が石田匠を退け王座を防衛。この日はWBC王者の中谷潤人も試合を観戦。前々日の5月4日には、西田凌佑（27＝六島）がIBF王者のエマヌエル・ロドリゲス（31＝プエルトリコ）からベルトを奪取している。
この状況にSNS上は「まさに黄金のバンタム」「日本人同士の統一戦が見たい」「ぜひ日本でバンタム級のWBSS開催を」と言ったコメントで盛り上がっている。
注目を集めるバンタム級王者統一戦線、現在の最右翼はWBC王者の中谷潤人だろう。長身でリーチも長く、スピードもある、70％を超える高いKO率と穴の無い強さである。
対抗馬となるのは井上拓真、今回の防衛戦では不用意にパンチをもらいダウン奪われしまったが、ここ最近は自分のファイトスタイルを身に着け覚醒した強さを見せている。元々兄井上尚弥を凌ぐテクニシャンと言われていた才能を開花させ、インファイトの打ち合いでもほとんどパンチをもらわずに相手を翻弄する強さを見せている。このスタイルを昇華させると中谷との試合も面白くなりそうだ。
武居と西田は現時点では統一戦よりも、防衛戦をきっちりこなしていく段階だ。また、同門の井上拓真と武居の試合は非現実的である。井上拓真も武居がWBOのベルトを獲った場合、残りのベルトを統一すると言っている。
どうなるバンタム級王座統一戦線
井上拓真は今回の試合のあと「こんな内容では統一戦と言ってられない」とコメントしているが、常々尚弥選手が返上したベルトを統一したいと明言してきた。一方中谷は井上拓真について「ぜひ、戦いたい」とコメントしているが、夏頃にWBOランキング1位ビンセント・アストロラビオ（フィリピン）との指名試合が有力と言われている。
今回のメインイベントに勝利した井上尚弥選手の試合後、ＩＢＦ、ＷＢＯ同級１位のサム・グッドマン(豪州)がリング上に登場。両名とも対戦を希望したため、井上尚弥の次戦も興行的に影響してくることが考えられる。
武居と西田は自力を上げていく段階だが、西田につていは減量苦のためベルトの返上も考えているが、階級を上げた先には井上尚弥がいるため先のことは決まっていない。
他にもバンタム級の日本人にはキックから転向して注目を集める那須川天心、元WBC世界フライ級王者の比嘉大吾、一月に日本王者を返上し世界に標準を定める堤聖也と注目の選手が集まっている。
盛り上がりを見せてきたバンタム級、井上尚弥の『今や軽量級の本場はここ日本にある』というXのコメントが証明されたと言えるだろう。
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