ここ数年大河ドラマに必ずと言っていいほど、お笑い芸人さんが出演しているのを見かけます。
現在放送中の大河ドラマ『光る君へ』には、秋山竜次(ロバート)、金田哲(はんにゃ)、矢部太郎(カラテカ)、ザブングル加藤さんが出演しています。
ロバート秋山は藤原実資、はんにゃ金田は藤原斉信、カラテカ矢部はまひろの従者・乙丸を演じてそれぞれ好評を得ている。ザブングル加藤は1シーンのみのサプライズ出演で話題となった。
大河ドラマ以外にも俳優として活躍の場を広げ、出演作に独特のアクセントを与えているお笑い芸人達。
そこで、過去大河ドラマに出演したお笑い芸人を、過去30年まで限定だが振り返ってみる。
これまで出演したお笑い芸人(1995年~)
- 『どうする家康』(2023) 岡部大(ハナコ) 天野ひろゆき(キャイーン) 角田晃広(東京03) なだき武 哲夫(笑い飯)
- 『鎌倉殿の13人』(2022) 田中直樹(ココリコ) 高岸宏行(ティモンディ) 坪倉由幸(我が家) まなぶ(カミナリ)
- 『青天を衝け』(2021) 博多華丸(博多華丸大吉)
- 『麒麟がくる』(2020) 岡村隆史(ナインティナイン) 小藪千豊
- 『いだてん〜東京オリムピック噺〜』(2019) 板尾創路(130R) 角田晃広 ビートたけし マキタスポーツ 徳井義実(チュートリアル)
- 『西郷どん』(2018) 井戸田潤(スピードワゴン) 劇団ひとり 笑福亭鶴瓶 塚地武雅(ドランクドラゴン)
- 『おんな城主 直虎』(2017) 木下隆行(TKO) 木本武宏(TKO) マキタスポーツ ダンカン
- 『真田丸』(2016) 藤井隆 児嶋一哉(アンジャッシュ) 今野浩喜(元キングオブコメディ)
- 『花燃ゆ』(2015) 劇団ひとり 原田泰造(ネプチューン) 堀部圭亮 ダンカン
- 『軍師官兵衛』(2014) 片岡鶴太郎 春風亭小朝 春風亭昇太 AMEMIYA 吉村崇(平成ノブシコブシ)エキストラ出演
- 『八重の桜』(2013) 小堺一機
- 『平清盛』(2012) 加藤浩次(極楽とんぼ) 塚地武雅 桜金造
- 『江〜姫たちの戦国〜』(2011) 前田健
- 『龍馬伝』(2010) 宮迫博之 中川家礼二(中川家) つまみ枝豆 児嶋一哉(アンジャッシュ)
- 『天地人』(2009) なし
- 『篤姫』(2008) 原田泰造 片岡鶴太郎 春風亭小朝
- 『風林火山』(2007) ダンカン
- 『功名が辻』(2006) 田村淳(ロンドンブーツ1号2号) 田村亮(ロンドンブーツ1号2号) 小宮孝泰(コント赤信号)
- 『義経』(2005) 南原清隆(ウッチャンナンチャン) 松嶋尚美・中島知子(元オセロ)
- 『新選組!』(2004) 山口智充(ドンドコドン) 平畠啓史(ドンドコドン) 矢部太郎 ビビる大木 堀部圭亮 星ルイス(星セントルイス) 中村有志 松谷賢示(水玉れっぷう隊) デビット伊東(B21スペシャル)
- 『武蔵 MUSASHI』(2003) ビートたけし 三笑亭夢之助 夢路いとし(夢路いとし喜味こいし) バカリズム 城後光義(ゆーとぴあ) 帆足新一(ゆーとぴあ)
- 『利家とまつ〜加賀百万石物語〜』(2002) 村上ショージ
- 『北条時宗』(2001) 宮迫博之 ダンカン
- 『葵 徳川三代』(2000) 6代目三遊亭円楽(当時楽太郎)
- 『元禄繚乱』(1999) ラサール石井 井手らっきょ 石塚英彦(ホンジャマカ) 明石家さんま 笑福亭鶴瓶 デビット伊東 四代目桂三木助
- 『徳川慶喜』(1998) 肥後克広・寺門ジモン・上島竜兵(ダチョウ倶楽部)
- 『毛利元就』(1997) 恵俊彰(ホンジャマカ)
- 『秀吉』(1996) ビートキヨシ
- 『八代将軍吉宗』(1995) 山田邦子 ぜんじろう ほんこん(130R当時蔵野孝洋)
どこまでがお笑い芸人?
改めて見返してみると、たくさんの芸人さんが出演しています。
ただし、どこまでの人をお笑い芸人の枠に入れるか迷うところです。
片岡鶴太郎さん、堀部圭亮さんは俳優にシフトしていますし、マキタスポーツさんも最近は俳優の方のイメージが強くなっています。ビートたけしさんみたく元々俳優としても活躍されている人もいますし。
春風亭小朝さん、6代目三遊亭円楽さんなどは噺家さんでお笑い芸人とはちょっと違いますよね。
我が家の坪倉由幸さんみたくトリオでの活動が休業状態の方もいます。
必ず出演しているわけではない
必ず毎回一人はレギュラーで出演している様な印象でしたが、『天地人』(2009)では芸人の出演が無かったようです。
『軍師官兵衛』(2014) 片岡鶴太郎さん、春風亭小朝さん、春風亭昇太さんが出演していますが、純粋なお笑い芸人として出演していたのは、ゲスト出演のAMEMIYAさんとエキストラ役の吉村崇さんだけで、レギュラーの方はいませんでした。
また、毎回吉本興業や松竹芸能の様な大手の事務所から出演している訳では無いようです。
芸人さんが出演している理由に、所属事務所の圧力と考えている人もいるようですが、どうやら違うようでね。
芸人俳優の魅力
芸人達の演じるコントや漫才には、見るのを引き付ける演技力が必要になっていくる。瞬時に設定に合わせたキャラクターの特性を、見ものに分かりやすく伝える能力は芸人特有のものであろう。
数多くの役者が出演する大河ドラマのなかで、芸人が出演することで与えられる変化は、むしろ画面を引き締める効果があるのではないだろうか。
ロバート秋山さんが演じる藤原実資は、知的で貴族社会を生き抜く洞察力を持っているが、チョット可愛げのある色黒の公家という個性は、彼にしか作り上げれない世界観だ。
高い演技力をもち、俳優にない世界観を作り上げれるお笑い芸人は、大河ドラマに必要不可欠な存在かもしれない。
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