5月19日にボクシングヘビー級4団体統一戦がサウジアラビアの3団体統一王者オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)とWBC王者タイソン・フューリー(英国)が対戦。ウシクが2‐1の判定で勝利し、史上初のヘビー級4団体統一を成し遂げた。
米国で最も権威のあるボクシング専門誌「ザ・リング」が、ウシクをパウンド・フォー・パウンド(PFP、全階級を通じての最強ランキング)の1位に認定。井上尚弥は2位、テレンス・クロフォード(米国)は3位に後退した。
この結果は世界中のボクシング関係者やファンの中で議論の的となっているが、史上初のヘビー級4団体統一や勝利した相手がタイソン・フューリーであることを考えると、充分評価に値する結果である。
今回のウシクの勝利に対して、PFPトップを争う立ち場にあるクロフォードも自身のXで『お前らみんなウシクという男に敬意を払うべきだぞ。アイツは間違いなくPFP1位の候補者だ。オレは嫉妬に駆られて批判したりなんかしない。アイツは上の階級で相手を倒してきた男を破ったんだ。今までと同じようにね。あっぱれだ、ブラザー!』とコメントしている。
そのクロフォードであるが、8月4日に4階級制覇をかけてWBA世界スーパーウェルター級王者のイズライル・マドリモフ(ウズベキスタン)と対戦する。
ちなみにクロフォードVSマドリモフはDAZNで配信。
イズライル・マドリモフとは?
名前 | イズライル・マドリモフ |
生年月日 | 1995年2月16日 |
国籍・出身地 | ウズベキスタン、ホラズム州ヒヴァ |
身長・リーチ | 174㎝・174㎝ |
スタイル | オーソドックス |
プロデビュー | 2018年11月 |
プロ戦績 | 11戦10勝7KO1分け |
獲得タイトル | WBAインターコンチネンタルスーパーウェルター級王者 WBA世界スーパーウェルター級王者(防衛0) |
主なアマチュア実績 | 2018年度アジア競技大会ミドル級優勝 2019年度アジア選手権ミドル級優勝 |
アマチュアで実績を積んだ後2018年にアメリカ・ニュージャージー州アトランティックシティでWBAインターコンチネンタルスーパーウェルター級王者を獲得しプロデビュー。
勝利した試合のKO率は70%。唯一の引き分けも、一度対戦しKO勝利しているミシェル・ソロ(仏)との再戦で、3R負傷引き分けのため実質パーフェクトレコードと言える戦績だ。
ファイトスタイルはオーソドックス、スイッチもするがその点はクロフォードほどではない。
ミドルレンジでは上下に打ち分け、一気に距離を詰めてくる。特に右のオーバーハンドは強力で飛び込みながら当ててくることもある。ショートレンジでは力づよい左右のフックを振ってくる。
角度を付けたパンチを打ち込んでくる所や、当たりだしたら止まらない姿はゴロフキンを彷彿とさせる。
相手のパンチをウィービングやダッキング、ステップワークで外す高いディフェンス能力もっている。そして勝利した後はバック転を決めてくる。
今回初防衛戦で強敵クロフォードと対戦することになったが、勝てば一気にスターダムにのし上がることができる。
まとめ
クロフォードにとってスーパーウェルター級に階級を上げての世界戦。ウェルター級の66.68 kg 以下から69.85 kg 以下へと3.17kg (7ポンド)上がることになるのが、ウェルター級でKOを量産していた姿を見る限り対応できそうに思える。(そもそもカネロとの対戦を熱望していたから自身はあるのだろう)
かねてよりPFP1位を意識した発言をしているクロフォードである、当然勝4階級制覇とともに返り咲きを狙っているだろう。
2か月後には再び熱いPFP論争が展開されるかもしれない。
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