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「大川原化工機事件」冤罪事件 捜査員2人を刑事告発

時事

 「大川原化工機」の社長ら元取締り役らが外為替法違反罪などに問われ、起訴が取り消された事件を巡り、同社は25日、当時の公安部の捜査員が調書に虚偽を記載し、その後、故意に破棄したなどとして、この捜査員ら2人について、公用文書毀棄(きき)と虚偽有印公文書作成・同行使容疑で同庁捜査2課に刑事告発した。

 告訴状の内容は、同社元取締役の島田順司さん(70)側が弁解録取書の文言を修正するよう求めたが、担当の捜査員は修正したかのように装って署名させたとしている。

調書を読み直した島田さんから抗議を受けた捜査員は調書をシュレッダーにかけて破棄。過失で破棄したとする報告書を作成し、上司に提出した。

大川原化工機事件とは

 横浜市の化学機械メーカー「大川原化工機」の大川原正明社長など幹部3人は2020年、軍事転用が可能な機械を中国などに不正に輸出した疑いで逮捕、起訴された。その後東京地検は、機器が規制対象との立証が困難になったとし、起訴を取り下げた。

 逮捕された同社3名の拘留期間は2020年3月11日から2021年2月5日の約11か月間に及び、その間1名から進行胃がんが発覚。2021年2月7日に亡くなっている。

国家賠償請求訴訟

 同社と遺族は国と東京都に対し5億6500万の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。東京地裁は昨年12月、東京地検と警視庁の捜査の違法性を認定し、国と東京都に計約1億6000万円の賠償を命じた。

 国と都は判決を不服とし東京高裁に控訴。これを受けて同社も控訴した。

なぜ冤罪を生み出したのか?

この冤罪事件では、「袴田巌さん」の冤罪事件と共通する長期間の拘留、自白の強要といった、日本の刑事司法の問題点が指摘されている。

 件の「噴霧乾燥器」についても証拠の捏造もあり、供述重視の捜査が行われたことが浮き彫りとなった。

 日本の「人質司法」は、2018年11月に逮捕された日産自動車元会長カルロス・ゴーン被告の事件で世界的に注目を集めた。国際人権団体からも非難を受け、国内からも変化を求める声があがっているが、今のところその兆しは見られない。

 

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